飯岡助五郎墓所の灯籠の上からあたりをヘイゲイする猫。なにやら大親分の貫禄がありますね。
講談・浪曲・映画で有名になった『天保水滸伝』の大利根河原の決闘は、飯岡助五郎一家と笹川繁蔵一家との博徒同士の縄張り争いで、1844年に実際にあった事件です。物語では悪役にされる助五郎ですが、網元で十手も預かっており、地域の世話役として頼りにされた人のようです。
飯岡は千葉県旭市内の地名です。九十九里浜の北端にあたります。2011年の東北大震災時の津波で死者13人、行方不明2人の被害をうけましたが、助五郎の墓所、光台寺は海岸から少し離れていて、無事でした。
世の中こんなもんで委員会 2023年7月27日
馬毛島の数奇な戦後史
馬毛島(まげしま)は鹿児島県の種子島の西12キロにある島です。1950年代に開拓され、最大時は528人が住んで小中学校もありましたが、1980年以後は実質的に無人島です。
1974年に平和総合銀行が大半の土地を買収して以後、レジャーランド構想、石油備蓄基地構想、自衛隊レーダー基地構想が現れては消えました。1995年に東京の立石建設が買収し、子会社タストン・エアポート(立石だからタ・ストーン)を設立、島の端から端まで十字形の滑走路に見える乱開発をしました。ただし実際に飛行場にするには役立たない開発だったようです。島に住む固有の鹿、馬毛鹿の住める地も減りました。
2007年以降、米海軍の空母艦載機の離着陸訓練場にする話が持ち上がりました。空母は巨大な船ですが、上空から見れば小さな点にすぎないところに戦闘機が着陸するには高度な技術が必要で、パイロットは常に訓練していなければなりません。離着陸を繰り返すと相当な騒音が周囲を襲います。横須賀を母港とする米空母の艦載機はふだんは岩国におり、訓練場は硫黄島です。馬毛島の米軍基地計画には、種子島・屋久島の4自治体が反対決議を上げました。
2019年に防衛省がタストン・エアポートから評価額の3倍以上の160億円で馬毛島を買い取ることで合意したとき、そんな費用をかけて米軍にサービスするのか、という調子で報道がありました。しかし2010年にはすでに防衛省は、ここを陸海空自衛隊の総合基地にする計画を進めていました。自衛隊の空母艦載機等の訓練場にする。補給基地にする、那覇の戦闘機の避難場所にする、等々。
いま種子島まで視察に行こうとしても、航空便に空席はなく、宿もレンタカーも予約できません。すべて工事関係者が押さえています。地方紙等の報道によれば、馬毛島をトビウオ漁の拠点にしていた種子島の漁師たちは、工事関係者を島に渡す仕事をしています。宿舎が不足するので家賃が上がり、商売を続けられなくなる店も出てきています。工事が終われば、日米のあらゆる軍用機が飛び交う島、汚染された海で、漁を再開することは難しいのではないでしょうか。
おりおりの猫4
広島県の尾道は瀬戸内のほぼ中央、しまなみ海道の入口ですが、猫の町としても有名です。山陽本線の尾道駅から東へ、山手の細道を歩いてゆくと、千光寺公園にいたるまでにたくさんの猫に出会います。
この猫は「Lovers」と銘板のあるカップル専用のベンチの下に隠れていました。町並みと海を見下ろす絶景を眺めているのでしょうか。
「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」と書いて47歳で亡くなった作家、林芙美子の記念館は、坂を下りたフェリー乗り場の近くにあります。
世の中こんなもんで委員会 2023年7月12日
コロナ禍が止まらない
新型コロナの5類感染症移行後、ろくに検査もされず、実態が把握できていないので、軽度の感染者(隠れコロナ)も濃厚接触者も自覚せず、マスクもせずに町を歩いています。高齢者などを除けば1年以上もワクチン投与を受けていない人が多いので、効果も薄れてきています。そのため、すでに第9波到来が現実になっているように思われます。
石垣島の県立八重山病院は医師500人規模の、地域の中核病院です。コロナ疲れでスタッフの退職が相次ぎ、透析患者受け入れが困難になったため、県に職員増員を求めていました。しかし十分に果たされないので、「命を軽く見ている」と昨年末に副院長が、この3月に院長が辞職しました。そこへ何度目かのコロナ禍が到来しました。
病院の11日の発表によれば、確保していた病床は15でしたが、すでに22人が入院しています。医療スタッフ28人が感染、22人が濃厚接触者となりました。欠勤が相次ぎ、濃厚接触者となったスタッフは毎日陰性を確認してから出勤しています。医師は「第1波以降で今が一番ひどい状況だ」とい言っています。(以上『沖縄タイムス』2月1日、7月9日、7月12日報道による)
重症患者は自衛隊機で沖縄本島に搬送せざるを得なくなりますが、沖縄本島でも病院は逼迫してきています。コロナ患者の増加はもちろん、梅雨明け以後は観光客が増えたため、救急車も病院も熱中症患者や水難事故対策などに追われています。
沖縄だけの問題ではありません。コロナ禍は収まっていない。厚労省が病院や保健所の統廃合を進め、医療労働者の待遇改善を進めてこなかったことの人災が、この数年の事態でした。それを各自の自粛でしのいできたのが、5類移行でゆらいでいるわけです。
残念ですが、沖縄の犠牲をさらに増やさないために、夏休みの沖縄旅行については良く考えたほうがいいのでしょう。
ねりまイースト28区キックオフ
岸田首相がもてあそんだ国会の解散風は止みましたが、この秋にも衆議院の解散・総選挙がありそうです。豊玉地区の選挙区は従来の東京9区ではなく、新たにできた東京28区となりました。選挙の準備を始めなければなりません。
6月24日、東京28区から市民・野党共同候補を当選させようとする市民運動「練馬イースト28区」がココネリでキックオフ集会を開き、110人が参加しました。すでに立候補を表明している日本共産党のたかの直美さんと立憲民主党の高松さとしさんが、8人の市民からの訴えに答えながらあいさつ。共同候補が成立するかどうかは中央での政党同士の協議によりますが、なんとか自公政権に一矢を報いたいものです。