型落ちトマホークを爆買い
訪米した木原稔防衛大臣は現地時間4日にワシントン近郊のペンタゴン(国防総省)でオースティン米国防長官と50分ほど会談をしました。この席で決まったのが、米国製トマホーク巡航ミサイルの1年前倒し導入です。2026年度から400基を買う予定だったのを、25年度にまず200基買うことにしました。1基数億円の買い物です。
トマホークの導入は、昨年暮れに決定した安保政策3文書の目玉、敵地攻撃能力の一環で、国産の12式地対艦誘導弾の射程延長に時間がかかりそうなのでその穴埋めに、ということでした。ペンタゴンからのFMS(対外有償軍事援助)ですから、値段も納期も米国側が決めるものなので、米議会での承認が必要です。
問題のひとつは、早期導入が決まったトマホークは、米軍では2021年から使われている最新型のブロック5ではなく、2006年から使われている旧型のブロック4だということです。要するに型落ち。製造元のレイセオン社は古い生産ラインを活用して大もうけをするのではないでしょうか。
もうひとつの問題はこの4月、米海兵隊はカリフォルニアにトマホーク大隊を新設することを決めましたが、沖縄の海兵隊へのトマホーク配備は見送ったことです。日本に大量に買わせて、在日米軍には配備しない。自衛隊・米軍の一体化を象徴するようなことですね。4日の木原・オースティン会談では、これから設置される陸海空自衛隊の一体的運用をする統合司令部の運用をめぐり、日米間の連携についても議論を進めることを確認しました。