高所恐怖症でない猫。城壁からの景色はたしかに絶景で、晴れた日には地中海まで見えるとのこと。ここはポルトガル、リスボン郊外のシントラにあるムーア城です。地中海からイベリア半島までイスラム世界であったころに築かれた砦で、12世紀にキリスト教勢力に占領された後は荒廃。現在では修復されて、他の聖堂などとともに町全体が世界遺産になっています。砦のあちこちでくつろいでいる猫を見かけましたが、人間にとっては起伏のある砦のなかを歩くのはかなりの苦行です。
世の中こんなもんで委員会 2024年1月4日
市民が拒否した珠洲原発
年が明けたとたんに石川県で地震・津波の被害。被災者の多いことに胸が痛みます。支援募金をすることしかできませんが。
最大震度が観測されたのは志賀町でした。その志賀町には長期運転停止中の志賀原発があります。今回の地震で変圧器の配管が壊れ、この系統では外部からの電気が受けられなくなりましたが、他で電源を確保しているので危険はないとのことです。隣の福井県には敦賀原発、美浜原発、大飯原発が、新潟県には柏崎刈羽原発があります。地震多発の日本に原発などもともと無理。大地震があるたびに冷や冷やさせられるのはゴメンです。
大きな被害を受けた珠洲市は28年におよぶ反対運動の成果として原発建設を拒否したところです。賢明でしたね。北陸電力、中部電力、関西電力が共同で寺家地区と高屋地区に計2基を建設する計画が浮上したのは1975年。地質調査の結果を受けて珠洲市長は原発推進を表明、市議会も原発誘致を議決しました。建設反対派住民は市役所内座り込みを40日間続け、また市議会や県議会に反対派議員を送りました。1993年の市長選挙では不正選挙により推進派市長が失職。やり直し選挙でも推進派が当選しましたが、2003年に電力3社が「電力需要の低迷を理由に」建設計画を凍結しました。
この間の経過は、元県議の北野進さんが『珠洲原発阻止のあゆみ』という本にまとめています(2005年、七つ森書館。この出版社は倒産してしまい、書店では入手できません)。北野さんは反対運動について「選挙と市民運動が相乗効果を発揮」と書いています。