手洗い場で水を飲む猫。手をかざせば自動的に水が出てくることを学習して自分で水を出したのですが、その手(前足)が水を掬うには不適当だったようです。体をぬらすことを嫌う猫が多いなかでは勇敢なことかもしれませんが、アメリカン・ショートヘア種は好奇心の強い猫が多いので、こういうこともできるのですね。
世の中こんなもんで委員会 2024年5月7日
サンヤツが荒れている
新聞の第一面下の広告をサンヤツと言います。3段分を8つに割っているので。伝統的にここは書籍広告を掲載することになっていて、老舗の出版社は月に一度、新刊本の広告を出し、読者はそれを見て書店に足を運ぶ。教養主義が生きていた時代の習慣がかろうじて生き残っているわけです。スペースは縦10センチ、横4.5センチしかありません。使える文字は明朝体とゴシック体に限られていて、図版も使えない。どのようにデザインするかが見所なのですが、たくさんの情報を押し込もうとすると、どんどん大きくなってきた新聞の本文の文字よりもはるかに小さい文字になります。
ところが。本が売れない。出版社は広告料が払えない。新聞の方も発行部数が昨年は2000年と比べても半分にまで落ちて(読売1027万→642万、朝日842万→374万、毎日402万→177万、日経303万→158万、産経201万→97万)、広告効果は小さくなりました。そこでサンヤツ広告には宗教系、自費出版系、ハウツー本などなどが増えてきました。新聞社のほうでも書店のほうでも、そんなもの本じゃないよ、というわけにはいきません。
ネット上の情報は玉石混淆で石が9割、とも言われます。ニュースも正規の新聞のデジタル版でなくニュースサイトの切れ切れのものばかり見ていると、どれがフェイクかわかりにくくなります。新聞の信頼度は落ちていると言っても、まだ新聞には何重ものチェック機能があります。
とにかく本屋さんに行って、せめて月に1冊、なにか購入していただければありがたいのですが。書籍は編集者と校閲者が内容と表現をチェックするだけでなく、内容に合わせた文字の組み方、紙の質、表紙のデザインも考えて一冊一冊作っているのです。本がもう少し売れれば、新聞のサンヤツも生き返るでしょう。