自民党総裁選
岸田首相は8月14日の記者会見で、次の自民党総裁選に出馬しない、要するに政権投げだしを表明したわけですが、その理由は「旧統一教会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた」ことの責任を取る、ということのようです。
じつは3月17日の自民党大会で、党の政治倫理審査会が「党規律規約で定める倫理憲章等の規定に違反する行為をしたと思料される場合 」の審査対象を、党所属の国会議員だけでなく政策集団(つまり派閥)にも広げる、などの党則改正・等規律規約改正をしていたのですが、これではとうてい対処しきれず、派閥解消へと進んだわけですね。
なお、この自民党大会は10時半に始まって12時には終わっています。自民党の大会はいつもそうですが、「国歌」斉唱から始まって党歌斉唱で終わり、報告事項だけで討論のまったくない大会でした。岸田総裁は挨拶で「私自身が先頭に立って、自民党改革、政治改革を断行する」と言っていたのですが、できなかった。
せっかく党の総裁が責任を取って辞任するのですから、その後継者は少なくとも「旧統一教会をめぐる問題」「派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題」で「国民の政治不信を招く」ことを根絶できる人でなければならないでしょう。
だとしたらメディアはまず、続々立候補を表明している新味のない人々について、旧統一教会との関係を、政治とカネの問題でどこまでクリアかを、徹底的に調べてもらいたいものです。競馬ではないのだから、どの馬が勝つかだけが問題なのではありません。調べた結果、適任者がなければ、政権交代すべきとはっきり言うのが、ジャーナリズムの役割ではないでしょうか。