コロナ禍が止まらない
新型コロナの5類感染症移行後、ろくに検査もされず、実態が把握できていないので、軽度の感染者(隠れコロナ)も濃厚接触者も自覚せず、マスクもせずに町を歩いています。高齢者などを除けば1年以上もワクチン投与を受けていない人が多いので、効果も薄れてきています。そのため、すでに第9波到来が現実になっているように思われます。
石垣島の県立八重山病院は医師500人規模の、地域の中核病院です。コロナ疲れでスタッフの退職が相次ぎ、透析患者受け入れが困難になったため、県に職員増員を求めていました。しかし十分に果たされないので、「命を軽く見ている」と昨年末に副院長が、この3月に院長が辞職しました。そこへ何度目かのコロナ禍が到来しました。
病院の11日の発表によれば、確保していた病床は15でしたが、すでに22人が入院しています。医療スタッフ28人が感染、22人が濃厚接触者となりました。欠勤が相次ぎ、濃厚接触者となったスタッフは毎日陰性を確認してから出勤しています。医師は「第1波以降で今が一番ひどい状況だ」とい言っています。(以上『沖縄タイムス』2月1日、7月9日、7月12日報道による)
重症患者は自衛隊機で沖縄本島に搬送せざるを得なくなりますが、沖縄本島でも病院は逼迫してきています。コロナ患者の増加はもちろん、梅雨明け以後は観光客が増えたため、救急車も病院も熱中症患者や水難事故対策などに追われています。
沖縄だけの問題ではありません。コロナ禍は収まっていない。厚労省が病院や保健所の統廃合を進め、医療労働者の待遇改善を進めてこなかったことの人災が、この数年の事態でした。それを各自の自粛でしのいできたのが、5類移行でゆらいでいるわけです。
残念ですが、沖縄の犠牲をさらに増やさないために、夏休みの沖縄旅行については良く考えたほうがいいのでしょう。