オスプレイのこと
11月末日、鹿児島県の屋久島沖に米軍のオスプレイが墜落して乗員が犠牲になりました。操縦の誤りではなく機体の不具合のためのようで、日本政府は在日米軍にすべてのオスプレイの運行を安全が確認できるまで中止するよう要請しましたが、米軍は聞き入れませんでした。
米軍のオスプレイには2種類あります。今回墜落したのは横田に配備されている米空軍の特殊作戦部隊、敵の後方に落下傘で降下して敵を攪乱することが任務の部隊を運ぶものです。沖縄の普天間基地に配備されているのは海兵隊のもので、島嶼間で海兵隊員を運ぶものです。後者はこの9月に不具合を理由に4機が石垣島と奄美大島に緊急着陸しています。それだけ不具合が多い、危険な機体なのでしょうか。
自衛隊もオスプレイを使うようになりました。これまでも兵員輸送用にはCH47チヌークという大型ヘリを使っていてそれで充分なので、トマホークの導入は自衛隊側からの要求ではなく、政治的案件です。陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)に14機が暫定配置されていますが、佐賀に移転する予定です。29日は佐賀で訓練飛行を始めたところ、米軍オスプレイ墜落事故を受けて訓練飛行は以後中止になってしまいました。
米軍と自衛隊のオスプレイがともに日本の南西地域で活動するようになったのは、米軍が九州からフィリピンにいたる島々を拠点に中国と対峙する作戦計画を持っているからです。ここから攻撃を行えば反撃はたくさんの住民のいる島々に来ます。有事には最小限の手荷物で避難する計画が立てられていますが、2日には石垣島で「リュックひとつで九州への避難なんてイヤだ」という行動が予定されています。