猫はよく寝て、起きると「あくび」をしながら「のび」をします。深い呼吸で脳に、ストレッチで筋肉に刺激を与えてから動き出すのは、理にかなっていますね。1日12時間以上も寝て暮らし、しなやかな体で抜群の運動神経なのは、うらやましいばかりです。写真の猫は駐車場に集まる仲間のボス的な存在でしたが、5年ほどで姿を見せなくなりました。
世の中こんなもんで委員会 2024年10月11日
イシバシを叩いて……
イシバシを叩いて割れ、とか言われていますね。裏金問題にも統一教会問題にも目をつぶって大臣を任命、国会審議を避けて早期解散をした、要するに変節した石破さんの橋を渡ると、どこに連れていかれるか分からないからです。高市さんの橋だと右にしか行けないから、まだ石破さんがマシと思っていたら、甘かった。
石破さんは日米地位協定の改定を主張しています。海外米軍基地に自衛隊を駐屯させることとセットです。米国に自衛隊が駐留すれば在米自衛隊の処遇に関する地位協定が必要になりますが、日米地位協定なみに駐留するほうに特権を与えなければおかしい。米国がそうしたくないなら日米地位協定も改定できる、と踏んでいるのでしょう。対等な日米同盟、アジア版NATOの盟主、となると、大東亜共栄圏の復活ではないですか。
野党第一党の立憲民主党代表が野田さん? あの、総理大臣時代に消費税を上げ、原発輸出計画を進め、尖閣諸島を国有化し、突然国会を解散して安倍政権の復活を許した、あの野田さんですよ。内閣も党内も混乱を極めた時代を、思い出したくもありません。他党との連携は選挙後に考えると言いますが、もし自民が過半数割れで立憲が第一党になったら、どこと組んで再び総理大臣になるつもりなのか、分かりませんね。国会議員としての野田さんは無所属から始まって、日本新党、新進党、民主党、民進党、無所属、立憲民主党と遍歴された方ですから。
今回の総選挙では、残念ながら市民・野党共闘が全国規模で成立しなかった現在、まともな政党として唯一になった共産党に伸びてもらうほか、日本を救う道はないようです。
おりおりの猫19
濡れ鼠になった猫。「濡れ鼠」を辞書で引くと、「水に濡れたネズミのように、衣服を着たまま水や雨にびしょ濡れになった姿」と出てきます。ネズミは衣服を着けているのか、衣服代わりの毛皮を脱ぐことができるのか、疑問ではありますが。猫は一般に体を濡らすのが嫌いで、シャワーを浴びさせるのもひと苦労ですが、水を恐れているわけではなくて、じつは泳げます。写真の猫は雨の中を、餌をもらえそうなところまで走ってきたのでしょうか。イスタンブルで。
世の中こんなもんで委員会 2024年9月5日
自民党総裁選
岸田首相は8月14日の記者会見で、次の自民党総裁選に出馬しない、要するに政権投げだしを表明したわけですが、その理由は「旧統一教会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた」ことの責任を取る、ということのようです。
じつは3月17日の自民党大会で、党の政治倫理審査会が「党規律規約で定める倫理憲章等の規定に違反する行為をしたと思料される場合 」の審査対象を、党所属の国会議員だけでなく政策集団(つまり派閥)にも広げる、などの党則改正・等規律規約改正をしていたのですが、これではとうてい対処しきれず、派閥解消へと進んだわけですね。
なお、この自民党大会は10時半に始まって12時には終わっています。自民党の大会はいつもそうですが、「国歌」斉唱から始まって党歌斉唱で終わり、報告事項だけで討論のまったくない大会でした。岸田総裁は挨拶で「私自身が先頭に立って、自民党改革、政治改革を断行する」と言っていたのですが、できなかった。
せっかく党の総裁が責任を取って辞任するのですから、その後継者は少なくとも「旧統一教会をめぐる問題」「派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題」で「国民の政治不信を招く」ことを根絶できる人でなければならないでしょう。
だとしたらメディアはまず、続々立候補を表明している新味のない人々について、旧統一教会との関係を、政治とカネの問題でどこまでクリアかを、徹底的に調べてもらいたいものです。競馬ではないのだから、どの馬が勝つかだけが問題なのではありません。調べた結果、適任者がなければ、政権交代すべきとはっきり言うのが、ジャーナリズムの役割ではないでしょうか。
おりおりの猫18
沖縄・宮古島のサトウキビ畑の間の道路は、左右に人の背丈より高い作物が連なっていて見通しがきかないので、ゆっくりと車を走らせていました。飛び出してきたのは子猫でした。車を止めて近づくと、逃げようかどうしようかと迷っていましたが、逃げませんでした。飼い猫ですね。沖縄では希少動物を食べて生態系を乱すといわれノネコ(野良猫)対策がされてきましたが、2023 年に殺処分された猫は1 匹だけ。保護団体のおかげです。
2024都知事選と私たち
私たち練馬の市民は、2024都知事選での市民・野党共同候補の当選をめざし、4月5日から準備会をはじめ、6月3日に個人参加で「チェンジ東京・ねりま」を立ち上げました。7月7日の投票日まで5週間の短期決戦でした。
候補者が決まる前にも5月19日には120名規模の市民集会を行い、市民の要求を持ち寄って都政に生かそうとの試みができたのは、練馬での長い市民・野党共闘の積み重ねの賜でした。そして6野党・3市民団体他が対等な立場で協議して候補者選定委員会を持ち、蓮舫さんを市民・野党共同候補としたことを大歓迎しました。
この間、都段階では共同選対が作られず立憲民主党の都連が代行する形になったため、市民の創意が集会や街宣に生かされず、政策協定も結ばれず、私たちは公職選挙法の縛りと選対の混乱との双方の制約に苦しみました。また私たちも参加した中野や新宿などでの街頭演説会では、旧民主党の男性幹部ばかりが弁士に立つ姿にがっかりしました。
しかし練馬では、市民・野党共闘の姿がはっきり分かる形での各駅頭での一斉宣伝や一人街宣に、続々と新しい方の参加を得ることができました。6月22日には210名規模の個人演説会を行い、6月27日には蓮舫さんを迎えて石神井で2000名規模の街頭演説会を成功させました。SNSのフォロワーも増え、インプレッションは膨大な数になりました。これらの成果は、今後に生かせるものと思います。
選挙戦は予想外の展開を見せ、残念な結果になりました。なぜポピュリストや差別主義者に多数の票が流れたのか、なぜ根強い政治不信・政党不信が消えないのか、じっくりと時間をかけて語り合い、分析し、対策を考える必要があります。
しかし私たちには、今回の選挙戦で、できるだけのことはやったという達成感があります。たくさんの新しい仲間を得て、違った世界が見えたという充実感があります。これは何物にも代えられない宝物です。
蓮舫さん、ありがとう。民族差別・女性差別に負けず凜々しく闘うあなたの姿に、私たちは勇気をもらいました。民主主義とは何か、共闘とは何か、あらためて考えさせられました。あなたを都知事にできなかったくやしさを、いつかリベンジしようという思いを抱えながら、私たち「チェンジ東京・ねりま」は2024都知事選を終え、解散します。
2024年7月27日
チェンジ東京・ねりま
おりおりの猫17
花の好きな猫。猫はもともと肉食ですが、日本では飼い主の方が歴史的に肉食をしなかった期間が長かったために、やむを得ず魚や炭水化物も食べるようになったのですね。サザエさんが追いかけるのは「お魚くわえたドラ猫 」。整腸作用のためか、草をかじったりしても、消化できないので毛玉とともに吐き出しています。写真の猫はビオラのわずかな匂いをかいでいるようです。花は食用にもしますが、茎や根には毒があるので、かじらないほうが安全です。
世の中こんなもんで委員会 2024年7月8日
国籍・戸籍のこと
都知事選挙運動のなかで蓮舫さんは、父親が台湾籍の人であるために、ネガティブキャンペーンが未だに行われていました。
蓮舫さんの父親、謝哲信さんは日本が統治していた台湾、要するに日本だった時代の台湾生まれで、高校卒業後に日本に渡り教育を受け、事業を始めました。ですから生まれたときは日本人ですが、日本が戦争に負けて植民地を手放すと、日本は朝鮮・台湾出身者の日本国籍を抹消してしまい、謝さんは中華民国籍になりました。さらに日本が大陸中国と国交を回復して中華民国と断交すると、日本では台湾を国として認めなくなりました。
蓮舫さんは生まれた時に父親の戸籍に入りました。母親は日本国籍でしたが、日本の戸籍制度では選択の余地はなく、日本国籍にはなれませんでした。しかし1984年に日本の戸籍法が改正されて、22歳までは父母どちらかの国籍を選べるようになったので、蓮舫さんは日本国籍選択宣言をしました。このように戦後になっても、日本の植民地政策と戸籍制度に翻弄されてきたわけですね。
いま本籍を明記した戸籍制度などというものは、日本にしかありません。いわゆる部落差別の原因になっています。戦前の家制度の名残、男社会の名残で、戸主というものはなくなりましたけれども戸籍筆頭者というものがあります。離婚後300日以内に生まれた子は元夫の戸籍に入るので、それを拒むと無国籍になって、パスポートも取れません。戦後、占領軍は日本の戸籍制度を家単位から個人単位にするよう勧告しましたが、3世代戸籍を2世代戸籍に変えただけでした。
日本統治下の朝鮮には戸籍制度があり、韓国にも続いていましたが、韓国は夫婦別姓です。そして2005年に韓国の憲法裁判所は、両性の平等を定めた憲法に違反するとして、戸籍制度を廃止してしまいました。
米国では、バラク・オバマ元大統領の父親はアフリカのケニアの人ですし、俳優のアーノルド・シュワルツネッガーさんはオーストリア生まれですが、カリフォルニア州知事になりました。誰も生まれを問題にしたりはしません。
人は誰でも生まれ育ちや性別によって差別されることなく、ひとりの独立した人間として、その個性、能力に応じて働けるような、そんな社会になればいいなと思います。
おりおりの猫16
黒猫は暗闇で目だけが光って見えるので気味悪がられて、西洋では魔女の使いとして迫害されたといいます。日本では逆に暗闇でも目が見えるというので魔除けとして珍重されて、宇多天皇(在位887-897年)も黒猫を飼っていたという記録があります。平安時代に飼われていた猫でいちばん有名なのは『源氏物語』若菜上の帖に登場する女三の宮の飼い猫でしょうが、残念ながら毛色についてはわかりませんね。
世の中こんなもんで委員会 2024年6月6日
東京都税の使い道
小池都知事は2016年、都知事に立候補するにあたって政策として「7つのゼロ」を掲げていました。待機児ゼロ、介護離職ゼロ、残業ゼロ、都道電柱ゼロ、満員電車ゼロ、多摩格差ゼロ、ペット殺処分ゼロ。実現したらすばらしいと思っていたのですが、本当に実現したのはペットの殺処分が減っただけです。ペットは大事にされるようになりましたが、都民は大事にされていませんね。
じつはこの「7つのゼロ」という標語は、かつて1967年から1979年まで3期続いた美濃部都政の標語「8のゼロと10の初めて」のパクリです。
美濃部さんの「8のゼロ」は次のようなものでした。老人医療無料化。妊婦健診無料化。予防接種無料化。公害健診無料化。し尿くみ取り無料化(まだトイレの水洗化が普及していなかったのです)。小学生以下の動物園など都立公園入場料の無料化。担保なし・保証人なし融資の信用保証料肩代わり。生活保護世帯の上下水道料金の無料化。これを全部実現したのです。国ができないことを都がやった。まさに人にやさしい政治です。
その後の都政は悪くなる一方で、老人医療費の窓口負担は2割、収入によっては3割になってしまいました。国の福祉政策が貧しくても、東京都が補填すればいいだけの話なのですが。口先だけの小池都政と約束を守った美濃部都政。これだけ違います。
東京都はお金がないから人にやさしくできないのか。まったく違います。東京都は全国唯一、地方交付金、つまり国からの補助金を受けずにやっていける、税収入の多い自治体です。2022年度の都財政は31億円の黒字でした。その豊かな収入が、公園をつぶして都市再開発に使われている。税金はどこに使うべきか、都政を変えるとはどういうことか、考える機会が7月7日にやって来ます。