世の中こんなもんで委員会 2024年1月4日

市民が拒否した珠洲原発

年が明けたとたんに石川県で地震・津波の被害。被災者の多いことに胸が痛みます。支援募金をすることしかできませんが。

最大震度が観測されたのは志賀町でした。その志賀町には長期運転停止中の志賀原発があります。今回の地震で変圧器の配管が壊れ、この系統では外部からの電気が受けられなくなりましたが、他で電源を確保しているので危険はないとのことです。隣の福井県には敦賀原発、美浜原発、大飯原発が、新潟県には柏崎刈羽原発があります。地震多発の日本に原発などもともと無理。大地震があるたびに冷や冷やさせられるのはゴメンです。

大きな被害を受けた珠洲市は28年におよぶ反対運動の成果として原発建設を拒否したところです。賢明でしたね。北陸電力、中部電力、関西電力が共同で寺家地区と高屋地区に計2基を建設する計画が浮上したのは1975年。地質調査の結果を受けて珠洲市長は原発推進を表明、市議会も原発誘致を議決しました。建設反対派住民は市役所内座り込みを40日間続け、また市議会や県議会に反対派議員を送りました。1993年の市長選挙では不正選挙により推進派市長が失職。やり直し選挙でも推進派が当選しましたが、2003年に電力3社が「電力需要の低迷を理由に」建設計画を凍結しました。

この間の経過は、元県議の北野進さんが『珠洲原発阻止のあゆみ』という本にまとめています(2005年、七つ森書館。この出版社は倒産してしまい、書店では入手できません)。北野さんは反対運動について「選挙と市民運動が相乗効果を発揮」と書いています。

忘年会いや望年会

九州から東京に来て4年目。
初めて「お茶deねりま市民大望年会」このネーミングにひかれ参加しました。“何とマア…”びっくりしました。
活気溢れる40ものブース。どのブースも沢山の展示品と販売品。こんなにも沢山の団体やみなさんが市民運動をやっている。なる程ここ練馬が市民運動の要になっているのではないかと納得させられました。
各市民団体の活動の報告。
くらしと平和を守ろう。政治を変えようと議員さん達の挨拶とメッセージ。みんなすばらしかった。交流の場では、各自の円卓での歓談。太極拳の披露、ステージでは沖縄・八重山地方の唄が三味線の音と共に聞こえ、やがて会場内で沢山の人が輪になって踊りが始まりました。アコーディオンの演奏も始まり、若い頃にやっていた「うたごえ運動」に思いを馳せ胸を熱くしました。
何ともひどい今年の1年。決して忘れる事、いや忘れてはいけないと思います。
「会話と交流の新しい出会い」
どんどん進めて、忘年会ではなく、次の年も「大望年会」

豊玉北在住 Y

おりおりの猫10

哺乳類にとって腹部は骨に覆われていないのに大事な臓器がある、攻撃にもっとも弱い部分ですから、本来は仰向けの姿勢はなるべく取らないようにするものでしょう。人間はふつう仰向けに寝ているし、座敷猫も平気でヘソ天で寝ていたりしますが、ひとりで外出する猫はさすがに用心深く、素早く回転して、危険を感じればすぐに態勢を立て直します。ノミがいて痒いのか、発情期なのか、回転中のこの猫は、私が近づくと手の届かないところに逃げて行きました。

世の中こんなもんで委員会 2023年12月2日

オスプレイのこと

11月末日、鹿児島県の屋久島沖に米軍のオスプレイが墜落して乗員が犠牲になりました。操縦の誤りではなく機体の不具合のためのようで、日本政府は在日米軍にすべてのオスプレイの運行を安全が確認できるまで中止するよう要請しましたが、米軍は聞き入れませんでした。

米軍のオスプレイには2種類あります。今回墜落したのは横田に配備されている米空軍の特殊作戦部隊、敵の後方に落下傘で降下して敵を攪乱することが任務の部隊を運ぶものです。沖縄の普天間基地に配備されているのは海兵隊のもので、島嶼間で海兵隊員を運ぶものです。後者はこの9月に不具合を理由に4機が石垣島と奄美大島に緊急着陸しています。それだけ不具合が多い、危険な機体なのでしょうか。

自衛隊もオスプレイを使うようになりました。これまでも兵員輸送用にはCH47チヌークという大型ヘリを使っていてそれで充分なので、トマホークの導入は自衛隊側からの要求ではなく、政治的案件です。陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)に14機が暫定配置されていますが、佐賀に移転する予定です。29日は佐賀で訓練飛行を始めたところ、米軍オスプレイ墜落事故を受けて訓練飛行は以後中止になってしまいました。

米軍と自衛隊のオスプレイがともに日本の南西地域で活動するようになったのは、米軍が九州からフィリピンにいたる島々を拠点に中国と対峙する作戦計画を持っているからです。ここから攻撃を行えば反撃はたくさんの住民のいる島々に来ます。有事には最小限の手荷物で避難する計画が立てられていますが、2日には石垣島で「リュックひとつで九州への避難なんてイヤだ」という行動が予定されています。

おりおりの猫9

これはイエネコではなく、野生のツシマヤマネコです。長崎県対馬にだけ生息して、ネズミや昆虫を食べて生きています。対馬の道路を走っていると「ヤマネコ飛び出し注意」の看板をあちこちに見かけますが、交通事故の犠牲などで100頭以下に減ってしまいました。この個体は対馬の野生動物保護センターで飼育されているもので、親がいなくなると子猫は自立できず、自然に帰すことも難しいようです。この目つきからは、あまり精悍さが感じられませんね。なお東京の井の頭公園自然文化園でも、環境省の飼育下繁殖事業に協力して、ツシマヤマネコを飼育・展示しています。

世の中こんなもんで委員会 2023年11月2日

練馬でミサイル避難訓練

東京都は10月13日、「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施について」という文書を発表しました。「X国から弾道ミサイルが発射され、我が国に飛来する可能性があると判明」したことを想定して、11月6日9時45分から11時15分まで、都営地下鉄練馬駅周辺、平成つつじ公園、区民交流ホールCoconeriで避難訓練を行うというものです。「Jアラートが聞こえたら、落ち着いて直ちに『逃げる、離れる、隠れる』といった避難行動をとりましょう」と呼びかけています。すでに周辺の住民や学校には動員がかけられているのでしょうか。往来の多いところでの訓練には混乱が予想されます。

これまでの朝鮮からのミサイルの例では、日本上空を越えてからJアラートが発出されたりしていましたし、だいたい日本にはミサイル着弾地と時間を正確に知る手段はありません。どれだけ役に立つ訓練なのか、大いに疑問です。というより、ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナ戦争に乗じて恐怖心をあおり、軍拡を進めるための仕掛けであることは見え透いています。

主催者は東京都・練馬区・内閣官房・消防庁で、自衛隊はこの文書には挙げられていませんが、全国の陸上自衛隊を統括する朝霞基地の正門は練馬区大泉学園町にありますから、自衛隊も当然、連動して行動するのでしょう。「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」の呼びかけで、同日9時30分から練馬駅バスロータリー降車場前で、監視・抗議行動が取り組まれます。

おりおりの猫8

人間不信になった猫。この猫は野良暮らしのなかでひどく人間にいじめられたのか、保護センターに来ても人と顔を合わせようとしません。耳の切れ込みは桜のはなびらに似た形なので「さくらねこ」と言われますが、不妊手術を受けたしるしです。野良猫の殺処分を減らそうと2012年に沖縄県石垣島で大規模なTNR(捕獲・不妊手術・地域に戻す)活動が行われたときに「さくらねこ」の名がつき、全国に広まりました。全身麻酔をかけての手術は痛みもなく、出血もほとんどないそうです。

世の中こんなもんで委員会 2023年10月5日

型落ちトマホークを爆買い

訪米した木原稔防衛大臣は現地時間4日にワシントン近郊のペンタゴン(国防総省)でオースティン米国防長官と50分ほど会談をしました。この席で決まったのが、米国製トマホーク巡航ミサイルの1年前倒し導入です。2026年度から400基を買う予定だったのを、25年度にまず200基買うことにしました。1基数億円の買い物です。

トマホークの導入は、昨年暮れに決定した安保政策3文書の目玉、敵地攻撃能力の一環で、国産の12式地対艦誘導弾の射程延長に時間がかかりそうなのでその穴埋めに、ということでした。ペンタゴンからのFMS(対外有償軍事援助)ですから、値段も納期も米国側が決めるものなので、米議会での承認が必要です。

問題のひとつは、早期導入が決まったトマホークは、米軍では2021年から使われている最新型のブロック5ではなく、2006年から使われている旧型のブロック4だということです。要するに型落ち。製造元のレイセオン社は古い生産ラインを活用して大もうけをするのではないでしょうか。

もうひとつの問題はこの4月、米海兵隊はカリフォルニアにトマホーク大隊を新設することを決めましたが、沖縄の海兵隊へのトマホーク配備は見送ったことです。日本に大量に買わせて、在日米軍には配備しない。自衛隊・米軍の一体化を象徴するようなことですね。4日の木原・オースティン会談では、これから設置される陸海空自衛隊の一体的運用をする統合司令部の運用をめぐり、日米間の連携についても議論を進めることを確認しました。

おりおりの猫7

毛色が違うのに仲良くシンクロして振り向く猫たち。野党共闘もこのようにありたいものです。
お寺や神社は殺生を嫌うので、捨て猫を大事にしているところが多かったのですが、この猫たちも東京・豊島区の由緒ある某寺で撮影しました。餌をもらい、手水鉢から水を飲んで暮らしています。
ただし猫と遊びに来る人が増えると参拝客の迷惑になるというので、その後寺門に「参拝の方以外は入門をご遠慮ください」と立て札が立てられました。

世の中こんなもんで委員会 2023年9月9日

ポチという名

今どき愛犬に「ポチ」と名づける人はほとんどいないようですが、ポチといえば犬、タマといえば猫の代名詞のようになっています。ともに語源には諸説あるようですが。

仁科邦男さんという元毎日新聞記者が書いた『犬たちの明治維新:ポチの誕生』という本によれば、ポチ・タマの名が一般的になったのは、明治の尋常小学唱歌に「ポチとタマ」があるからだそうです。昭和になってもこの童謡は小学唱歌に採用されて、国会図書館デジタルコレクションで歌詞を楽譜とともに見ることができます。

「この子はポチと申します。/ちんちんおあづけみな上手。/いまに大人になったなら、/ご門の番をよくしませう。」

代表的な国語辞典『広辞苑』は「ポチ」を「犬の名として広く使われた語」と説明しています。主人に忠実に従い、主人を守るのがポチ。そういう忠犬のような存在を「○○のポチ」と呼ぶ使い方は、『広辞苑』には出ていません。吉田茂さんを始めとして戦後歴代の日本の首相は、折に触れて「アメリカのポチ」と言われてきたのに。元大阪府職員の牧俊太郎さんが書いた『「米国のポチ」と嗤われる日本の不思議』という本もあります。

もちろん『広辞苑』がポチという言葉の悪用について収録していないのは、これが差別語だと認定したからでしょう。人を傷つけ誹謗する言葉であるのは確かです。では落ち目のアメリカから兵器を爆買いする日本の首相を何と呼ぶべきか、考えてしまいます。