世の中こんなもんで委員会 2023年6月8日

ウクライナはなぜ負けないか

昨年2月24日始まったロシアによるウクライナ侵略戦争は、長期戦になりました。ウクライナ軍は専守防衛に徹して交戦を続けています。経済力でも軍事力でも圧倒的な差があると思われていたロシアに、なぜウクライナは敗北しないのか。この強さはどこから来るのか。

もちろん、2014年のロシアによるクリミア併合以後、米欧による軍事支援からウクライナ軍の近代化が急速に進んだことは大きいと思いますけれども、ウクライナのデジタル国家化の影響にも注目すべきでしょう。

報道によれば、ウクライナのフェドロフ副首相兼デジタル変革大臣は戦争開始2日後、米国の電気自動車テスラのCEOイーロン・マスクに、衛星による通信網スターリンクの提供を要請し、マスクは翌日に応じました。これによりウクライナ国内外で通信インフラが破壊されても通信が可能になり、市民は自分のスマホで敵の動きを自軍に知らせることができるようになりました。

フェドロフは弱冠32歳。2019年にデジタル変革大臣に就任すると、2024年までに国民へのサービスを100%オンライン化することを目標にして、パスポートも、納税手続きも、出産登録なども、そのようにしました。おかげで何も持たず国外に逃れた人もウクライナ語で教育が受けられるし、失われた資産の補償請求もできる。海外からの民間経済支援は主に暗号資産によるものだそうです。わずか数年でこれだけのシステムを作り上げた手腕は、台湾の新型コロナ対策で大活躍したデジタル大臣オードリー・タンと双璧とされます。

それに引き換え、日本のデジタル庁の実力には暗澹たるものがありますね。はじめから批判が集中していたマイナンバーカードの信頼性は地に落ちました。登録情報が漏れるどころか最初から間違っている。氏名は漢字表記のみ、性別は男女のみ、生年は元号表記、と超内向き。健康保険証とのひもづけなど、どだい無理ではないでしょうか。

おりおりの猫1

ホウトン(パソコンで字が出てこない)は、世界の猫好きが集まる台湾の猫村です。台湾鉄道のローカル線で台北駅から各駅停車で12駅目、駅を降りるともう公衆電話の台に猫がいる。村への連絡橋にも猫がいる。村にはいたるところに猫がいて、猫カフェも猫グッズ店もある。鉄道線路の上からランタンを飛ばすので有名な観光地、シーフェンに近く、もっと観光客の集まるキュウフンへの途中ということもあって、猫好きが立ち寄るのですね。

毅然としたこの猫は、家にはちゃんとご飯があるんだ、と主張しています。だからここでは食べものをくれなくていいよと。

世の中こんなもんで委員会 2023年5月21日

核兵器のない世界へ?

岸田文雄さんは一昨年、『核兵器のない世界へ』という本を書いています。「『核兵器を世界から全て無くす』という戦いにおいて、人類がいつの日か、力を一つに合わせていくことができないはずがない、と私は信じています。」と「はじめに」に書いている。さすが広島地盤と思ったら、じつは二世議員で東京生まれ、東京育ち。核兵器をなくすための道筋をつけてくれるかと、G7広島サミットに期待するほうがバカだったのかも。「いつの日か」は遠い遠い未来のことだったのですね。

バイデンさんたちは広島平和記念資料館を見学して、被爆者の証言を聞いたけれども、合わせて40分だったそうです。広島を訪れる修学旅行生たちよりも短い。「強烈な印象を受けた」などのコメントは事前に準備していたかも。

米国の大統領はいつでも、核攻撃の命令を出せるような機器の入った「核のフットボール」とか「核のボタン」と呼ばれるブリーフケースを随行員に持たせていますから、バイデンさんも当然、これを携えて平和資料館入りしたのでしょう。

5月19日にサミットで採択された「’核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」という文書、読んでみました。7カ国語での発表でなく英語だけが正文で日本文は外務省仮訳、というのもひっかかるけれども、中身はもっと変。ロシアに核兵器を使うなと冒頭で述べて、中国と朝鮮に核拡散防止条約を守って核実験はするなと書いている。G7に参加している米英仏はもちろん核保有国で、日本もNATO参加国もみんな核共有あるいは核の傘の下にいるわけですよね。核兵器で身を守っている国々が、中朝ロの核だけは許さないと世界を分断している。

文書は核兵器禁止条約にはまったく触れていません。核軍縮は言うけれども、どのように、いつまでにどれだけ核兵器を減らすのかという道筋も目標も、まったく書いていません。これでは広島・長崎の人々ががっかりするのもアタリマエ。

練馬区議選結果 のむらさん再選!

4月23日の練馬区議会議員選挙で、私たちの応援する、のむら説さんがめでたく再選されました。みなさん、ご支援ありがとうございました。選挙結果のデータは以下のチラシに掲載されたとおりです。

とよにし応援団 春のつどい

桜も咲き始めた3月19日、「とよにし応援団春のつどい」が開催され、20名が参加しました。

日本共産党練馬区議、のむら説さんから区議会での活動報告がありました。第二子からと不十分ながら給食費の無償化を実現したこと、陳情を無視せず必ず審議するようにさせたことなどの成果がありましたが、区の施設での非正規雇用が多数に及ぶ問題など、まだたくさんの課題が残されています。

豊玉地域在住のジャーナリストからは、中国・朝鮮・ロシアの「脅威」とはどのようなものか、軍拡で対処するのがいかに愚かなことかが報告され、質問に答えてウクライナ戦争の現状についても解説がありました。

参加者からは、戦争経験者としての発言や、区立美術館の改築や学童保育廃止、いきいき健康券の対象年齢引き上げへの疑問など生の声が次々と出され、有意義な会になりました。

練馬区は大きな財政力をもっていながら、無駄な大型開発につぎ込み、区民の生活・福祉・教育に回そうとしません。この区政を変えるためには大きな野党の力、とりわけ共産党の議席を伸ばすことが必要です。4月の区議選で共産党区議団を5議席から6議席に伸ばそうとの訴えで、会を締めくくりました。

総選挙で市民・野党共闘勢力が前進

10月31日の総選挙で、共産党と「とよにし応援団」は練馬9区では「ねりま9区みんなで選挙(略称「ねりせん」)に集まった人々とともに、市民・野党共同候補として立憲民主党の山岸一生さんを応援し、みごと自民党候補を破って当選させました。全国でも共闘勢力は着実に伸びています。来年4月の区長選・区議補選、7月の参院選も、引き続き共産党と共闘勢力の前進のため、がんばります。